母乳って?! ヒトミルクオリゴ糖 (ヒト母乳オリゴ糖)って何?
母乳に関するテレビをみたので、母乳ってすごいなぁ!と感心しているところです。
哺乳動物はみんな母乳で育ちますが、今考えられている一番原始的な母乳はハリモグラで、汗のように皮膚からにじみ出てくる母乳を飲むんだって。
母乳とは
血液中の水分と栄養が、乳房の中にある乳腺に取り込まれて作られたものが母乳。
母乳に入っているものは、水、タンパク質、糖質、脂肪、ミネラル等々で構成されています。
しかし動物の種類によって母乳の構成成分比が異なるんです。
寒い海にいるアザラシはすぐに皮下脂肪が必要なので、脂肪分の多いドロドロとしたミルク。
キリンは暑い場所に住んでいて水分が必要なので、サラサラとした水分の多いミルク。
牛と人間の母乳は水分が8割で成分比がだいたい似ているのですが、人間のほうが糖質が多いんです。
それは、人間は生まれてから脳がものすごく発達するので糖質の消費量が多いためと考えられています。
母乳の成分の移り変わり (初乳から離乳まで)
キリンの母乳は初めから水分の割合が多いのですが、1か月半くらいで赤ちゃんキリンが葉っぱを食べ始めるので、その頃からさらに水分の割合が増えていきます。
そして、300日くらい授乳が続きます。
人間の母乳は、生まれてすぐと離乳の頃では成分比がどんどん変化していくことがわかっています。赤ちゃんのからだの成長のニーズに合わせて成分が変わっていきます。
母親の食べたものの影響も多少出てくるのでしょうが、母親が意識的に母乳の成分を変えているわけではないですね。
ゲノムに刻まれている遺伝的メカニズムによって母乳の成分が変わっていくのだそうです。
母乳の成分 (微量成分)
母乳には水分8割。
残り2割は糖質、タンパク質、脂質、割合としては少ないですがミネラルも入っています。
その他に、抗体、白血球、酵素、ビタミン、ホルモン、RNA、肝細胞などが微量含まれています。
この微量含まれている抗体も、まだ免疫システムがうまく働いていない赤ちゃんを病気からまもる応援しているのですね。
母乳の成分 (ヒトミルクオリゴ糖 ヒト母乳オリゴ糖)
さて、母乳成分の糖質のうち約7割が乳糖。
ヒトミルクオリゴ糖は250種類以上入っています。
ヒトミルクオリゴ糖は、大腸にある病原菌の受容体と形が似ていて、細菌が受容体から体内に入るかわりにヒトミルクオリゴ糖にくっついて感染を防いでくれているそうです。
つまり、ヒトミルクオリゴ糖は消化されず大腸まで行き、病原体にくっついて排出してくれる。
また、ヒトミルクオリゴ糖はビフィズス菌のエサにもなるんですって。
だから、母乳で育つと下痢しにくいと言われてるのかな。
日本では工業的にヒトミルクオリゴ糖が生育できるようになりました。
今、3種類できているそうです。
でも、まだ日本では認可されていないので、市販の粉ミルクには含まれていません。
海外では数は少ないですが、あるそうです。
これから期待できますね!
母乳があるから哺乳類
哺乳類以外の動物は、卵からかえったらすぐに自力でエサを探さなければなりません。
ですから、エサがある環境の中に卵が産みつけられて生息しているんですね。
ところが、哺乳類は生まれてからしばらく母乳で育ちますので、生育できる環境が広がったそうです。
そうだったのか~! 母乳ミラクルですね。